バイリンガル日本語教育 はじめの一歩

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ヨーロッパの日本語補習校やオンラインで、幼稚園から中学生までの海外在住バイリンガルの子どもたちに日本語を教えているMasakoです。

海外在住でお子さんのいらっしゃる日本人の方から
「いつごろから日本語教育を始めた方がいいのでしょう?」という質問をよく受けます。
今回は、いつごろ、どのように日本語教育を始めるべきかについて考えていきます。

目次

いつから日本語学習を始めるか

「何歳ぐらいから日本語の勉強を始めた方がいいでしょうか?」

「こどもが言葉を覚える過程で、複数の言語を使うと混乱して、発語が遅くなると聞きますが大丈夫でしょうか。」

このような質問をよく受けます。私自身、同じ心配をしていたので気持ちはよくわかりますし、傾向としてはあるかもしれませんが、正直「こどもによる」ので完全に当てはまる答えはありません。ただ、言えることは、もし本当にバイリンガルとして育てたいと思うのであれば、できるだけ早く」「できるだけたくさん」日本語に触れる機会を持つ、ということが大切です。

バイリンガルキッズに育てるには・・・

・『できるだけ早く』

・『できるだけたくさん』

日本語に触れることが大切!!

多くのバイリンガルの子どもたちを見てきて思うのは、一番最初に日本語に触れる時期というのが肝心で、その時期を逃すと、後からやろうと思ってもなかなかすんなり学習に入っていけないことが多いということです。

現地校に通い始め、現地語の渦の中に入っていく前のこの時期は、日本語に浸かることのできる貴重な時期だといえます。海外生活の日常では、意識しないと日本語は入ってきません。入ってこなければ日本語を覚えることはできません。

子どもは自然と日本語を覚えていく、残念ながらそんな夢のようなことはないのです。バイリンガルになるには、必ずご両親、本人の努力と忍耐、継続が必要です。

「できるだけ早く、できるだけ多く」日本語に触れる機会をふやすことが大事です。年齢が上がれば上がるほど、現地語の波にのまれてしまうのは避けられません。いかに言語を習得していく最初の段階で、「日本語の語感やリズム」を取り入れられるかが、大きな分かれ道になってきます。

それでは、まず日本語のはじめの一歩として、ご家庭でどのようなことができるか、見ていきましょう

バイリンガル教育 はじめの一歩

1.日本語で話しかける

当たり前すぎると思われるかもしれませんが、これは最初の一歩としてとても大事なことです。赤ちゃんの耳が聞き取れる音域というのが言語によって違うということは、よく知られていますが、まずご両親自身の母語の声を聞くのは、なによりの勉強です。

1,2歳までのまだ喃語を話している段階で、耳にすることが大事ですので、どんな小さなことでも独り言のように日本語のシャワーを浴びさせてあげましょう。

そして、お子さんが言葉を話すようになってくると、日本語と現地語の両方をミックスしたり、日本語話者のお母さんといる時間が多いうちは現地語がなかなか出てこなかったりして、混乱するのではないかと心配して日本語で話すことをやめてしまう方も少なくありません。心配される気持ちはとてもよくわかるのですが、本当に日本語を話せるようになってほしい、と思うのであれば、ここで日本語をやめずに続けることが肝心です。

言葉を話し始めは、多言語の中で混乱しているように思われるかもしれませんが、いずれお子さん自身でバイリンガルスイッチを作り上げていくので、小学校に入学する頃には、言葉の遅れなども気にならなくなってくるでしょう。

ご自身が現地語を話す方が楽という方もいると思いますが、あくまでもお子さんに話しかけるときは日本語で話す、ということを心がけましょう。

2.童謡を聴かせる

ご両親の生の日本語、歌声に勝るものはありませんが、子守唄やバックミュージックとして日本語の音楽を聴かせるのも日本語教育の大切な入口です。私は息子が赤ちゃんの時から聞かせる音楽はなるべく日本語のものにしていましたし、小学生になった今でも機会があれば日本語で聞かせる、ということにしています。

おすすめの童謡CD

1.ベスト100こどものうた大全
 童謡、こどもの歌が100曲、CD4枚に入ったボリューム版。1つはもっておきたいですね。


2.どうよう&あそび歌

春夏秋冬ごとにCDが4枚に分かれているので、日本の四季を感じられるCD。
ベーシックな聞きなれた歌が収録されています。


3.うたってたたこう! リズムあそび どうようえほん(音のでる絵本)
少し大きくなったら、おもちゃ代わりに自分で音を出すことを楽しめます。
全曲自動演奏もできたり、再生スピードを変えたりもできるのでおすすめです。

3.絵本の読み聞かせ

1歳を過ぎるぐらいから、夜寝る前の読み聞かせなどを始めるご家庭も多いと思います。海外で絵本を手に入れるのも昔は大変でしたが、今はたくさんよいデジタル絵本や、絵本のサブスクリプションなどもありますので、うまく併用しながらできるだけたくさんの日本語を聞かせてあげましょう。

AMAZONのKindleを利用されている場合、絵本もかなり含まれているので、ぜひ検討してみるとよいでしょう。

おすすめ絵本

1.しましまぐるぐる

カラフルではっきりした絵が赤ちゃんにも大人気。1ページごとの文字もすくなく、オノマトペが多いので最初の絵本に最適です。このシリーズはどれもおすすめ。

4.日本の通信教育を利用する

私自身、ベネッセのこどもチャレンジを実家から毎月送ってもらって、息子が0歳の時から小学校3年生まで続けましたが、子どもの日本語への興味を育てるのに,とてもよかったと思います。

日本でいう年中さん【4~5歳】までは主にDVDの視聴から、日本の文化、日本語の基礎を知ることができるので、よく見せていました。小さい子どもはしまじろうに夢中になりますね。

最新のものにこだわりがなければ、日本のメルカリなどのサイトで中古のものを手に入れることもできますので、数年前のものでも内容的には十分です。私はバラバラの年代のものをいくつか手に入れて見せていました。

●おすすめ通信教育比較【Coming Soon】

書くことについてはあまり早く始める必要はありません。鉛筆を握ること、筆圧など、文字を書くのに適した年齢というがあるので、日本語をアウトプットしていく年齢は現地校が始まる学齢期~1年前ぐらいで十分だと考えます。

どうしても早く始めたい、という方はまず運筆から始めるとよいでしょう。

●最初の運筆におすすめのサイト・無料プリント・おすすめドリル【Coming Soon】

ただ、学習全般に言えることですが個人差があるので、本人が興味があれば、ぜひ書かせてあげてください。意外とひらがななどが書けなくても、いきなり漢字に興味をもって書き始めるお子さんもいます。

5.DVD,動画、Youtube

日本語教育のとっかかりとして、動画は子どもの興味を引くのにとても有効です。私は日本の家族から日本の子ども番組を録画したものを送ってもらったりしていましたが、今はYoutubeや様々な動画が海外からも見ることができるので、ぜひ活用しましょう。日本の配信動画をみるのであれば、VPNは今や必須ですね。

現地語との混在は大丈夫?

「日本語を現地語と一緒に教えると、子どもが混乱してしまうのでは?」

「バイリンガルの子どもは言葉が出るのが遅いと聞くのですが…」

日本語も話せるようになってもらいたい一方、こういった心配をもたれている方もいるのではないでしょうか。これも「子どもによる」ので一概にはいえませんが、もちろん1つのものに対して、2つの言葉を覚えていかなくてはならないので、時期によって混乱することも、どちらかの言葉が遅くなることもあります。

でも子どもたちが素晴らしいのは、常にどちらかの言葉の比重が多くなったり少なくなったりしながらも、結局シーソーのようにバランスをとっていくということです。最終的にはどれかの言葉が優位になり、単一言語のみの子どもに比べると、ある程度の年齢までは多少語彙や発音に差はあるものの、結局は追いついていくので、それまで親子ともに根気よく続けられるかどうかが肝要です。

バイリンガル、トリリンガルとして育てていく場合、最初の言葉の遅れは多少気になるかもしれません。でもその期間は、子どもがたくさんの言葉を自分の中に取り入れていく熟成期間。焦りは禁物です。

その時期をグッと我慢して見守りながら、今ある環境の中に日本語をどんどん取り入れていくことで、お子さん自身の中で、2倍、3倍の豊かな世界が育まれ、広がっていっていることに目を向けるのが大切ですね。

まとめ

海外在住でバイリンガルに育てるには、「できるだけ早く、できるだけたくさん」日本語に触れる機会を作ることが大切です。

バイリンガル教育 初めの一歩とは?

1.日本語で話しかける。
2.童謡を聴かせる。
3.絵本の読み聞かせをする。
4.日本の通信教育を取り入れる。
5.DVD, 動画、Youtubeなどを見せる。

初めの一歩は小さくても、続けていくことが一番大事です。
お子さんが小さいうちからできる5つのこと、ぜひ始めてみてくださいね。

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