小学生から中学生ぐらいまでの幅広い年齢の子どもたちに長く愛されてきたドラえもん。
バイリンガルキッズが日本語を勉強するのに、とてもよい教材にもなります。
今回は、ドラえもんがなぜおすすめなのか、そしてどのように学習に取り入れていけばいいのか、をお伝えします。
1.どうしてドラえもんがいいのか?
数あるマンガの中でも、特にドラえもんがおすすめなのは、オノマトペや表現が豊かなこと。そして普遍的な友情や愛情といった価値観を教えてくれ、道義的にも安心して子どもに読ませることができるという点があります。
内容的には少し時代に合わない部分や表現もあるものの、「昭和的」風景や価値観を垣間見ることができる、というのも、実際に日本で育っていないバイリンガルキッズには興味深いようです。
また表現においても様々な言い回しや、時には難しい言葉もドラえもんが上手に使って説明してくれたり、四字熟語、慣用句なども実はよく出てきます。ドラえもんを読むだけでも楽しく勉強になりますが、上手に使えば一石何鳥にもなります。
次に、具体的にどのドラえもんを選べばよいのか、また学習に取り入れる具体的な方法についてお伝えします。
2.おすすめのドラえもんは?
みんな大好きなドラえもん。フリガナもついているので、小学1年生から楽しむことができます。内容によっては、科学や地理などの知識も必要とされますが、読んでいくことで幅広く知識や語彙が増えるので、おすすめです。
1.学年別ドラえもん 名作選6冊セット
まず、最初にどの本をそろえるか。一番のおすすめは「学年別ドラえもん」です。
学年別に使用する漢字、内容が分かれているので、年齢、レベルに応じて楽しみながら学習できます。
また内容も、日本語プラスアルファで知識を得られるようなものが多いのが特徴で、学年に応じた「なぜ?」に自然と寄り添う内容になっています。
小学館の特集ページにて、特徴や内容が詳しく説明されており、試し読みもできたり、様々な著名人の方の解説も読めますので、こちらもぜひご参考になさってください。
2.ドラえもんの国語おもしろ攻略シリーズ
それぞれのテーマに応じて楽しく、深く学習できる国語面白攻略シリーズ。内容的には高学年~中学生におすすめです。
中でも海外在住ではあまりなじみのない、「敬語」や「四字熟語」などは教科書だけでの説明や学習ではなかなか頭に入ってこないので、ドラえもんと一緒にどういうシチュエーションで、どうやって使うのか、また言葉の成り立ちを知ることで、暗記だけでなく本当の知識として身についていきます。
3.ドラえもん科学ワールド
ドラえもんは楽しいだけでなく、理科の科学知識に基づいたお話もたくさん出てきます。その中でテーマ別に作品を厳選し、収録した科学入門書がこの科学ワールドシリーズ。
おすすめの5冊はこちら。
■宇宙の不思議
■動植物の不思議
■恐竜と失われた動物たち
■光と音の不思議
■からだと生命の不思議
国語に関連するものだけでなく、お子さんのご興味に応じて選ぶと、「勉強させられている」感が薄れて、興味を持ってくれるでしょう。「楽しい!」「おもしろい!」と思わせることが一番大事なことですね。
4.ドラえもん 単行本
内容やレベルは様々になりますが、楽しむことを最優先して選ぶのであれば、やはり昔ながらのドラえもんがおすすめです。基本的にフリガナもふってあるので、「読みながら覚える」ことができ、既習未習にこだわらず、多くの漢字に触れる、目にすることが大事なので、とてもよい学習機会になります。
1巻から読み進めるのもよいですが、それぞれの話が読みきりになっているので、どの巻を読んでも楽しめます。
私自身は、いったん未来に戻ってしまったドラえもんが帰って来る7巻が、子供の頃から大好きでした。
3.ドラえもんを使った勉強法
ドラえもんをただ楽しく読むだけでも十分勉強になりますが、せっかくの学習のチャンスをさらに生かすため、以下のような勉強方法もトライしてみてください。オンラインレッスンでも、まず音読、そしてオノマトペや用語の説明をして一緒に問題を解いていきます。教科書を読ませるのは至難の業ですが、ドラえもんなら喜んで読んでくれるので、一石何鳥にもなりますね。
1.音読してみよう
ドラえもんはフリガナも多くて読みやすく、オノマトペが良く出てくるので、どういった場面で使われているのかを自然に学ぶことができます。
音読することは、バイリンガルキッズの日本語学習において、最重要の勉強方法です。それはマンガでも同じ。
声に出して繰り返し読むことで、日本語が耳になじみ、音訓読みが自然に身についていきます。漢字のドリルで音訓読みを覚えるのは、相当困難で、小学3,4年生ぐらいからつまづくことが多いので、音読をして「見慣れる」「聞き慣れる」ことが一番の近道です。音読を繰り返すことが漢字の復習にもなり、その都度、忘れてしまった漢字を思い出す作業を地道に続けるのが学習の定着につながっていきます。
2.わからない言葉を調べよう
ドラえもんは実は時々、とても難しい言葉やことわざ、四字熟語などを使っているので、出てきたときにわからない表現は調べてみるとよい勉強になります。国語辞書をお持ちのご家庭であれば、一緒に辞書の引き方を教えながら調べてみるのもよいでしょう。
調べた言葉は、単語帳を作って、読み方、意味を書いておくと後で見返しやすいですね
3.オノマトペを使ってみよう
話の中に、たくさんのオノマトペが出てくるのもドラえもんを読んでいて楽しいところです。「コロッ」と「コロコロ」か「ゴロッ」「ゴロゴロ」の違いについて、話し合ってみる、そしてそれを使った文章を作ってみましょう。実際にどういう場面で、どのように使うのか、これも使ってみなければなかなか身につきません。レッスンでもいろいろと楽しい答えが出てきて、目の付け所のおもしろさに感心してしまいます。
また、最近はオノマトペや様子を表す言葉に特化したテキストも多く出ているので、上手く学習に取り入れてください。
4.出てきた漢字を勉強しよう
教科書と違って、出てくる漢字にレベルの一貫性はないのですが、むしろいろいろな漢字を学ぶ機会はバイリンガルキッズにとって貴重です。「漢字は出てきたときに覚える」のが基本。子供たちは「まだ習ってない」といってくるのが常ですが、学習学年によらず、出てきたときに都度覚えていくのが大事です。限られた学習機会を最大限に生かしていきましょう。
※漢
まとめ
このように、日本語教材として大変優れているドラえもん。日常の中に日本語を取り入れ、「楽しく」勉強を続けていくのに最適なツールです。今はこうしたマンガや書籍も、電子書籍で簡単に手に入れることができる時代になりました。紙の味わいにはかないませんが、目次やサンプルも見ることができ、海外在住の私たちにとっては欠かせません。
ぜひ学習に取り入れてみてくださいね。
Kindleの申し込みや使い方はこちらの記事もご参照ください。