今まさに試験期間が始まったGCSE試験。2025年度の日本語試験も4月~5月にかけてスピーキングの試験ウインドウが終了し、いよいよ6月になるとその他3つのペーパーの試験が2日間に亘って行われます。
2026年の試験も発表になり、お問い合わせも多くいただくので、概要をまとめました。
1.GCSE日本語試験とは
イギリスで通常Year11で行われる全国統一の学力試験をGCSEといいます。その中で外国語はドイツ語やフランス語など、ヨーロッパの言語を選択し、受験しますが、学校によっては日本語など、学習者が少数の言語もカリキュラムに取り入れ、GCSEの際の科目の1つと認定してもらえる場合があります。
語学の試験は、すべて以下の4つのペーパーで構成されます。
1.リスニング
2.スピーキング
3.リーディング
4.ライティング
GCSEはセカンダリー修了時の試験のため、基本的にはYear11で受験するものですが、学校によってはYear10,Year9など早めに受験を認めてくれる場合があります。多くの日本語ネイティブのお子さんは、個別に自身の学校に問い合わせて、個人受験者として申し込む場合が多いようです。
2.GCSEで日本語を受験するメリットと注意点
1.GCSEで日本語を受験するメリット
これまで続けてきた日本語学習の1つの成果を測ることができるほか、オフィシャルに1つの語学科目の成績として認められるので、セカンダリー修了後、Sixth Formを選ぶ際にハイスコアが要求される学校の場合、大きな加点になります。
例えば、Grade7以上が5科目必要という条件であれば、日本語でGrade7以上を取っておけば、残り4科目でGrade7を取ればいいので、精神的にも時間的にも余裕が生まれます。他の科目より一歩先にハイスコアを取っておくと、その分、他の科目に勉強時間を集中することができる点は大いに有利に働くでしょう。

これまで教えてきた生徒さんからも、GCSEで日本語を受験した時にはそれほどのメリットがあるとわかっていなかったけれど、実際にYear11で他の科目でGCSEを受験する時になって、日本語のハイスコアが平均点を引き上げてくれて、本当によかったという声をよく聞きます。
2.受験の際の注意点
このように様々なメリットやよい目標となるGSCEでの日本語受験ですが、科目としては認められているものの、あくまでも『個人的に受験する』ものになるため、注意が必要です。つまり学校が手配をしてくれたり、申し込んでくれたりはするのですが、あくまでもそれぞれの学校の裁量によるもので、対応は学校によって大きく異なるのです。
また一般的な事象についての意見や知識を問われる問題も出るので、ある程度の年齢で受験するのがふさわしいと考える学校も多いようで、早くてもYear9,一般的にはYear10で受験できる学校が多いようです。
学校によっては、あまりに早い受験は推奨されない場合も多いので、まずは自分の学校での受験が可能か、そして何年生から受験が許可されるか、モックはあるかどうかなどを調べておく必要があります。
- 学校でGCSE日本語は受験できるか
- その場合、何年生から受験が可能か
- 試験官(スピーカー)の先生は、学校で手配してもらえるか、
もしくは自分で探す必要があるか。 - モックテストは学校で実施してもらえるか。






まだ受験までに時間がある方は、できればセカンダリーに入る際に、周りで受験した先輩がいる場合はそれについて聞いておいたり、学校の先生に確認しておくと、受験計画が立てやすくてよいでしょう。
また、GCSEの試験の内容は、『国語』として日本語を学習してきているお子さんにとっては、日本語そのものはそれほど難しくはないものの、問題の内容もテーマを網羅するよう幅広く出題され、スピーキングでは瞬発力を、ライティングでは思考力を問われる問題が出るので、『GCSEに向けた受験勉強』は必要になってくるでしょう。
3.2025年GCSE日本語試験 概要
1.スケジュール
2025年度の試験期間が始まっており、今年のスピーキングのウインドウは終了しています。
例年6月にPaper1,3、4が、イギリス全土で2日間に亘って一斉に実施されており、2025年はPaper1 Litening、 Paper3 Readingが6月2日(月)、 Paper4 Writingが6月10日(火)に実施されます。




2025年6月2日(月) Listening and Understanding (Paper1)
Reading and Understanding(Paper3)
2025年6月10日(火) Writing (Paper 4)
2025年4月9日~5月14日 Speaking (Paper2)
※例年4月中旬~5月中旬の間にSpeaking Assessment Windowsが設けられますが、発表は2~3月と他のPaperより遅いので、気を付けてチェックしましょう。この発表前後に学校から連絡が来て、それぞれの試験日が確定されます。




※変更等の場合もありますので、最新情報は各自ホームページにてこちらからご確認ください。






Paper2のスピーキングは、4月~5月の定められた期間(Aaessment WIndow)に、学校や試験機関と相談し、各自で行います。
それぞれの学校で対応が異なるので、スピーカーの先生の手配を自分でするか、学校にしてもらえるか等、事前に学校のLanguageの先生か、GCESのExam Officerの先生に相談しましょう。
★2026年度のスケジュール【Paper1,3、4】が発表されました。【2025/05/23】
また試験が近づいたら確認するようにしてください。
2026年6月1日(月)Morning Listening and Understanding (Paper1)
Reading and Understanding(Paper3)
2025年6月9日(火)Morning Writing (Paper 4)




2.試験の構成
1.4つのペーパーとそれぞれの内容
GCSEの語学の試験はすべて以下の4つのペーパーで構成され、日本語の試験もその4つを3日間に亘って受験します。また、それぞれのPaperはレベルによって、Foundation Tierと Higher Tierの2つに分かれます。




Paperによって日本語で解答するものと英語で解答するものに分かれます。Paper1,のリスニングとPaper3のリーディングは日本語を聞いたり読んだりして、英語で解答するので、比較的易しく、GCSE日本語がそれほど難しくないと思われるのは、これらの問題を見てのことが多いようです。一方で難易度が高いのがPaper2のスピーキングとPaper4のライティングで、これらは解答は日本語で行い、内容も5つのメインテーマの中から重複しないよう幅広く出題されます。そのため、一般的な知識や自分自身の考えや価値観をまとめておく必要があり、それに向けた学習が必須です。






KAZAHANA ONLINE JAPANESEでは、スピーキングとライティングを重点的に、自分の身の周りの事象についての知識と思考を深める学習をしていきます。
2.試験時間
Foundation TierとHigher Tierで内容(一部重複もあり)と試験時間が異なります。
Paper2のスピーキングはTask1と2に対して準備時間が12分あり、Paper1のリスニングも音声が始まる前に5分間、問題を読んで準備する時間がとられます。




このようにGCSEの日本語受験の概要をまとめました。来年度の受験の参考にしていただければと思います。また、GCSE日本語試験についての記事を順次アップしていく予定ですので、お楽しみに。
KAZAHANAでも2026年受験コースを2025年9月から開講予定です。それ以降受験をご検討の方や、補習校はやめてしまったものの受験をしたいとお考えの方などにも、1,2年かけて受験を目指していくコースもありますので、ぜひお気軽にお問合せください。







